10/9 (金)

「不登校と居場所」~M子のケースを中心に②~

「不登校と居場所」~M子のケースを中心に②~

不登校ではその初期段階、保護者と学校との信頼関係が崩れているケースがよくあります。

そこでフリースクールなど第三者が、保護者と学校の橋渡しを担うことがあります。

今回も中学校からの要請を受け、私と保護者と中学校と三者でM子の受け入れについて何度か話し合いました。

学校あげていろいろご提案いただいたのですが、M子の母親の学校不信は抜き難く、「中学校には通わせずフリースクールで」と学校に宣言してしまいました。

そこでフリースクールでの活動状況を定期的に学校へ伝えることで、中学校の出席として扱ってもらいました。

 

母親が学校と直接コンタクトを取らなくなってから、M子のフラッシュバックや自傷行為は急速に落ち着きを見せ、ついには一人でフリースクールに通えるまでになりました。

初めての相談は冬でしたが、M子の独り立ちはセミの鳴く季節に入っていました。

 

時代3年間をフリースクールでがんばったM子は、その後通信制高校に進学し、紆余曲折を経ながら、卒業に向けて勉強とアルバイト、両立に励む日々を過ごしています。

 

今やどの学校も、いじめや不登校対策を真剣に講じるようになりました。

先生たちも一生懸命です。

しかし残念ながらすべてが、子どもや保護者の助けになっているとは限りません。

「学年」、「クラス」、「一斉授業」といった学校の仕組みが制度疲労を起こしているのかもしれません。

 

ここに「通信制高校」+「サポート校」※というひとつの高等学校モデルがあります。

これは私たちが当たり前に受容れてきた学校の仕組みへの「異議申し立て」=解決策だと私は考えています。

通信制だから得られる自由度の高い『時間』と、通うことが可能な「サポート校」という『居場所』。

そこには兄や姉のような『先生』がいて、真剣に自分たちの思いに耳を傾けてくれる。

自分を良く知ってくれているので、自分に合ったアドバイスがもらえる。

それは学習だけではない、生き方全般についても話は広がる。

自分のペースを尊重してもらいながら、卒業に向けた惜しみないサポートが受けられる。

そしてなにより、自分と同じ苦しみ、悲しみを経験した『友だち』がいる。

心を通わせ、かけがえのない時間をともに過ごし、いろんな体験と得がたい思い出がここで積み上がっていく。

そんな『居場所』がここにあるということを、たくさんの子どもたち、なかでも学校で苦戦している子どもたちに知ってもらいたい、そう心から願っています。

 

※「サポート校」…通信制高校生が卒業に向けての学習支援などを受ける教育機関。マイン高等学院などがある。

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高階 和浩

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