9/29 (火)

「不登校と居場所」~M子のケースを中心に①~

「不登校と居場所」~M子のケースを中心に①~

9月16日発表の、文科省「問題行動調査」によると、不登校の小学生は2万5866人、中学生は9万7036人で小中とも前年度より増加、小学校は1000人あたり3.9人と、割合では過去最多になったそうです。

不登校の低年齢化が顕著になり、不登校数こそ、ここ数年増えたり減ったりですが、割合は一貫して増加しています。

 

私が勤める屋久島おおぞら高等学校通信制高校です。

不登校経験のある生徒がたくさんいるので、自然、不登校に関わる情報には敏感になります。

不登校の背景も今までも様々に分析されていますが、私が数年前、高校生以下の年齢の子ども達のためのフリースクールを立ち上げ、不登校に苦しむ子どもや親に接してきた体験や、普段から感じてきたことをもとに、これを機会に改めて考えてみたいと思います。

 

不登校小中学生の『居場所』としてフリースクールを立ち上げた数年前、不登校相談は圧倒的に中高生の親御さんからでした。

小学生の相談は稀で、あった場合は5、6年生の女子というケースがほとんどでした。

そんな小学生に小6のM子がいました。

3年生のときクラスの男子数人からいじめを受けて不登校になったのです。

母親が学校に相談しても、校長や先生らは「いじめなんて存在しない」、「お母さんは考えすぎです」と取り合ってもらえずクレーマー扱いされたと言います。

M子もそんな先生が信用できず、いじめっ子が放置の学校に極度の恐怖心を抱くようになりました。

 

相談に来たのは、M子が不登校になって数年たち中学進学が意識される6年生の時のことです。

いじめを「存在しない」と言い張った小学校長が、異動で教育委員会の高いポストについたため、母親が「市立中学校への道はこれで断たれた、行ったらつぶされる」と落ち込み、苦しんでいたときのことでした。

 

フリースクールに通い始めたころ、M子は母親から離れることができず一言も発しません。

同年代と比べて体の大きなM子が、母親にぴったりしがみついている姿は一見異様です。

それでもM子は母親と一緒に通い、一緒に過ごし続けました。

M子の同年代の子どもへの恐怖心はすさまじく、友だちは仲良くなってもいつかは必ず裏切ると思っています。

また親以外の大人、なかでも「先生」はウソつきで信用できない、味方になってくれないと。

だから私とは目を合わせません。

でも私と母親の会話にはじっと聞き耳を立てています。

私が敵か味方かを見極めようとしていました。

 

ある朝、M子が母親に抱えられ、息も絶え絶えでフリースクールに辿り着きました。

「小学校の元校長に駅で偶然出会って声をかけられた」と母親。

M子はその瞬間、フラッシュバックでパニック。

駅で過呼吸になってしまったのです。

横になったまま1時間も経って、ようやく落ち着きを取り戻しました。

それからしばらくは、駅で動けなくなったり、自傷行為で足の爪をはがしたりと、影響は残りました。

 

 

 

…つづく

 

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高階 和浩

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